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CHALLENGE
STORY
ピンチで浮き彫りになった課題を
改革のチャンスに!
八田 祐人
コンシューマ事業本部
営業統括部
北海道支店
北海道支店に異動してからわずか3日後、過去にないほどの大地震に遭遇した八田祐人。確かな顧客知識もない状況の中で、新たに担当となった「Aスーパー」全体の利益を少しでも改善するための提案を求められた。八田は強みの課題抽出力を活かし、先方に寄り添った商品や販売方法の提案をすることによって、お取引先の課題解決とアサヒグループ食品の売上拡大の両方を実現していく。
※記事内容および社員の所属は取材当時のものです。
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STORY
2018年9月初旬、初期配属から1年と予想外の早いタイミングで異動が決まり、八田祐人は北海道支店の一員となった。それまでは東京の首都圏で複数のドラッグストアを担当し、営業活動に従事。異動後は、広大な北海道全域に100店舗以上を展開する「Aスーパー」および地域のドラッグストアを任され、営業活動を始める予定だった。
ところが、赴任からわずか3日後の2018年9月6日、八田は大きな揺れに気付いて目を覚ました。しかし、それほど深刻なものとは考えず、再び眠りについた。目を覚ますと停電のようで、電灯のスイッチを入れても灯かない。携帯を見ると会社や友人から安否確認の連絡が入っていた。
朝一番、支店長からお取引先の状況を確認するよう要請が出た。八田はしばらく出社もままならない中で、メールや電話を使用し、店舗の被災状況や商談ができる状態か等のヒアリングを行い、可能な限りお取引先とコンタクトを取るようにしていた。
そしてこの震災が、八田に新たな挑戦を促すことになる。
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STORY
北海道全域での大規模停電はしばらく続き、本来なら新任担当にとって最初の仕事となるお取引先への挨拶回りもできない日々が続いた。挨拶回りでは、担当する小売企業の本部担当者や、メーカーと小売企業をつなぐ役割を持つ卸売店の担当者を訪ねる。そこでの各担当者とのささいな会話から、お取引先の特徴や課題を感じ取り、営業活動につなげていくのだが、それができない状況だった。
そんな中、とある卸売店の担当者からメールが届く。それは八田が担当する重要顧客「Aスーパー」に関することで、内容は以下のようなものだった。
件名:【緊急】
*今回の震災により「Aスーパー」は経営的に大きなダメージを受けた。
*利益を回復するため、すべての店舗・売場に「コスト構造の改善」の指示が出された。
*各メーカーはそれぞれ対応策を考えてほしい。
震災直後の混乱の中、店舗視察もできず、「Aスーパー」に関しては基本情報程度の知識しかなかった。「コスト構造の改善」と言われ、当社商品の納入価格を下げることも考えたが、中長期的に見た場合、それでは解決にはつながらないのではないか。お取引先のためには、その根本的な課題に寄り添った商品や販売方法の提案を行う必要があるのではないか。そう考えた八田は「粗利ミックス」というアプローチで先方の課題解決を試みることにし、すぐに動き始めた。
※粗利:売上高から売上原価を引いた後に残る利益のこと。
※粗利ミックス:粗利益率の高い商品と低い商品を組み合わせることによって、全体として一定の利益率を確保する考え方。
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「粗利ミックス」の施策を進めるには、まずは今の利益構造を理解しなければならない。八田は早速卸売店の担当者とコンタクトを取り、利益構造の詳細や課題についてヒアリングを開始した。この時、「Aスーパー」におけるヘルスケア商品別の売上高や利益率の一覧データを頂き、まずその分析に着手した。
データの分析や卸売店の担当者へのヒアリングをもとに浮かび上がってきたのが「整腸剤」カテゴリの課題だった。アサヒグループ食品が「エビオス」を展開するこのカテゴリは、毎食後の摂取を習慣にしている方が多く、定期購入の傾向が高い商品。「Aスーパー」では、集客のため他社の整腸剤を特売日の目玉商品として激安で販売しており、それが粗利圧迫の原因の1つになっていた。特売品から外して適正価格に戻せば粗利は改善するものの、商品そのものの売上が落ちて整腸剤カテゴリ全体の売上が低下してしまう可能性が高い。
そこで八田が着目したのが当社の「エビオス2000錠」だった。「エビオス」は600錠、1200錠、2000錠の3種類をラインアップしているが、当時「Aスーパー」では1200錠入りしか採用していなかった。そこでコストパフォーマンスの高い商品として、他の地域では適正価格でも販売が好調であった2000錠入りを新たに導入すれば、カテゴリ全体の売上と利益をバランス良く高めることができるのではないか。
八田は様々なケースを想定したシミュレーションを重ねた。その結果、特売日に激安で販売されていた他社の整腸剤を適正売価に戻し、そこで減った売上を「エビオス2000錠」でカバーしてかつ利益率も高めるという提案内容が固まったのである。
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STORY
「Aスーパー」では、春と秋の年2回、様々な納入先から販売施策の提案を受ける会議を開き、その時期に強化する商品と販売施策を決めていた。他社の整腸剤と「エビオス2000錠」の「粗利ミックス」を目的とした八田の提案も、直接の納入先である卸売店を通じてこの会議で提示されることになる。
その結果は、見事採用。自社の商品のみを押し売りするのではなく、「粗利ミックス」という「Aスーパー」が求めていた「コスト構造の改善」を念頭に置いた八田の提案は、ヘルスケア商品を担当するバイヤーから共感を得やすく、確かな説得力があった。
「エビオス」の売上が好調に伸びているのを見ながら、八田は早くも「次」を考え始めていた。それは「エビオス」のような取り組みを、整腸剤以外の商品カテゴリにおいても水平展開することである。
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STORY
整腸剤以外においても、コスト構造に課題があるカテゴリがないかを分析していたところ、気になるカテゴリを見つけた。それは、野菜不足や栄養バランスを気にかけるお客さまから人気の高い「青汁」関連商品である。アサヒグループ食品の青汁商品「乳酸菌+酵素 大麦若葉」の採用は30包入りのみで、よりお得な60包入りは未導入。
「エビオス」での実績もあり「乳酸菌+酵素 大麦若葉 60包」の新規導入は、半期ごとの会議を待たずすぐに実行が決まった。その結果は予想以上に大きく、2ヵ月間の集計で前年比360%近い売上を達成するとともに、今では「Aスーパー」で並ぶアサヒグループ食品の商品の中で1番の売上を稼ぐ商品となり、「Aスーパー」全体の利益の底上げにも貢献した。
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「Aスーパー」には、青汁とともに八田が着目した商品カテゴリがもう1つあった。それは、美容に関心の高い方に向けたコラーゲン商品である。アサヒグループ食品では「パーフェクトアスタコラーゲン」を主力商品として展開していた。
整腸剤も青汁も、主となる顧客層は高年齢の方たち。一方、コラーゲン商品は30〜40歳代の女性が中心で、売上を伸ばすことができればアサヒグループ食品のヘルスケア商品の顧客層拡大にもつなげられる。そして「パーフェクトアスタコラーゲン」には、競合品に比べて配合されたコラーゲン量が多いという明確な優位性があった。この魅力を積極的に訴求すれば、売上が伸びるに違いない。この提案も八田の説得力のある説明によってすぐに採用となり、前年比160%近い売上を達成するとともに、「Aスーパー」のコラーゲン商品全体の売上拡大を牽引することになった。
「エビオス2000錠」での成功事例で満足することなく、「青汁」「美容」といった他のカテゴリでも説得力のある提案を続けて行うことによって、信頼という形でお取引先からの共感が得られる機会は増えていった。
大地震によるお取引先の危機に端を発した、八田の挑戦。それは、お取引先が抱えていた根本的な課題の解消に寄与しつつ、アサヒグループ食品の存在価値を高めるものにもなった。お取引先の課題は何か?アサヒグループ食品の強みは何か?それを結びつけWin-Winでの成長を目指す提案営業の醍醐味を知ったことで、八田は次なる次元の挑戦に取り組み始めている。
CHALLENGE
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「Aスーパー」に対する営業活動は本当に充実し、学びの多い経験となりました。「パーフェクトアスタコラーゲン」の後も着実にお取引を増やしてきたのですが、3ヵ月ほど前に担当替えがあり、「Aスーパー」の主担当は新入社員の後輩に引き継ぎました。
私が現在担当しているのは、全国規模のスーパーとドラッグストアの北海道地域の本部。関係者の多さなどに最初は戸惑いましたが、大きな組織への対応を学びながら営業活動を進めているところです。「Aスーパー」の担当時代には、「アサヒグループ食品が次々に新しい提案をしてくるから、いつの間にかヘルスケアの棚がアサヒだらけになっていた」とバイヤーの方が話していたと聞き、嬉しく感じた覚えがあります。こうした積極的な提案姿勢は今後も続けるつもりです。
そして、先々にはお菓子やフリーズドライなど食品の営業も経験したいという気持ちがあります。赤ちゃんから高齢者まで、幅広い方たちに愛用していただける商品を展開しているのが、私がアサヒグループ食品への入社を決めた一番の理由なので、最終的にはそこを目指していきたいです。