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会社情報 ニュースリリース

乳酸菌飲料「カルピス」由来の研究成果

2007年5月

日本栄養・食糧学会(5/20)にて発表
「ラクトトリペプチド」(VPP・IPP)の摂取で
血管年齢の若返りを確認

 カルピス株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:石渡總平)健康・機能性食品開発研究所は、当社が発見した食品由来で、血圧降下作用と血管内皮機能改善を有するペプチドであるVPP・IPP(「ラクトトリペプチド」)が、血管年齢を若返らせる可能性があることを、医療法人社団池谷医院の池谷敏郎院長(東京医科大学循環器内科客員講師)の協力により確認しました。この研究成果を日本栄養・食糧学会(5/20)で発表しました。

 今回は、軽症高血圧者を対象に、加速度脈波計*1という機器を用いて、指先で測定した脈波の形から、血管の状態と血管年齢を推定する試験を実施しました。脈波とは、脈拍を波形で描いたもので、その波形の形から血管がどのくらい硬くなっているかを測定することができます。

 その結果、「ラクトトリペプチド」を含む飲料の摂取によって、血管拡張作用と血管壁伸展性を表す指標が改善し、血管年齢の推定値が、摂取前の平均66歳から摂取後に58歳に若返ったことが確認されました。なお、被験者の実際の平均年齢は61歳です。

 この研究により、「ラクトトリペプチド」が、血圧降下作用、血管内皮機能改善を通じて、血管年齢をも若返らせる可能性が示されました。

血圧と血管

 食生活の乱れ、飲酒、喫煙、運動不足などの不規則な生活習慣により、メタボリックシンドローム(高血圧、高血糖、高脂血症)になると、加齢に伴う生理的な変化よりも早く血管が硬くなってきます。そして、このように高血圧などに起因する動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳梗塞が発症しやすくなります。そこで、早い段階で生活習慣を改善すること、高い血圧を下げること、動脈硬化を防ぐことを取り組むことが必要であり、特に、血管をケアすることが重要になってきます。
 動脈は、心臓から送り出された血液により膨らんだり縮んだりして拍動を起こしています。この拍動を脈拍といい、これを波形で描いたものが脈波といわれるもので体全体に伝わっていきます。脈波の波形*4は加齢により動脈が硬化するにしたがって特徴的に変化します。脈波の各波形成分を数値化し、加齢に伴い上昇する成分をプラス、減少する成分をマイナスして得られた指標が『加速度脈波*3加齢指数』です。加速度脈波加齢指数は年齢と正相関して上昇するので、得られた加速度脈波加齢指数から年齢を推定することが出来ます。このようにして推定された年齢が『血管年齢』です。血管年齢とは血管が何歳相当に硬化したかを表す指標です。
 最近では、この『血管年齢』が、動脈硬化の予防に向けた取り組みの一つとして注目されています。

「ラクトトリペプチド」とは

 「ラクトトリペプチド」は、「カルピス酸乳」の永年の研究より発見され、乳たんぱく質のカゼインから得られるVal-Pro-Pro(VPP)、Ile-Pro-Pro(IPP)の2種類のペプチドです。「ラクトトリペプチド」は、血圧を上昇させるアンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害する作用があることを、正常高値血圧者、軽症および中等症高血圧者への血圧降下作用や安全性などの研究により確認しています。さらに、最近では、「ラクトトリペプチド」に血管内皮機能改善の働きがあることもわかり、今年3月の日本薬学会において研究成果を報告しました。このように、「ラクトトリペプチド」の働きは、血圧のみならず血管機能にまで及ぶことが少しづつ明らかにされてきています。
 今回、「ラクトトリペプチド」がヒトの血管に関して、どのように効果的に働くかを、脈波解析による血管年齢という指標を用いて検討しました。

試験内容

 収縮期血圧が140 〜 159 mmHgあるいは拡張期血圧が90 〜 99 mmHgの軽症高血圧者の20名(男性4名、女性16名、平均年齢61±11歳)を対象としました。なお、飲用前の20名の血管年齢は66 ± 9歳と実年齢より高い値でした。被験者には、「ラクトトリペプチド」3.4 mgを含有する飲料を1日1本、8週間継続して飲用し、摂取前および摂取8週間後に、血圧値および加速度脈波計*1による脈波を測定しました。

試験結果

  • (1)血圧は、収縮期血圧が143 ± 4mmHgから135 ± 5mmHgへ、拡張期血圧が85 ± 5mmHgから79 ± 8mmHgへと有意に低下しました。
  • (2)加速度脈波*4の解析において、血管拡張作用に関する数値は、-4.6 ± 0.2から-3.9± 0.1へと有意に改善(上昇)しました。また、血管壁の伸展性に関する数値は、-0.4 ± 0.1から-0.5 ± 0.1へと有意に改善(低下)しました。
  • (3)加速度脈波加齢指数から推定した血管年齢は66 ± 9歳から58 ± 11歳へと有意に若返っていました。(図1)

 結論として、「ラクトトリペプチド」は、血管拡張作用と血管壁伸展性を改善したことにより、血管年齢を若返らせる可能性があると考えられました。

「ラクトトリペプチド」含有飲料摂取後の血管年齢の変化

*1:加速度脈派計

 指先で測定した指尖容積脈波をもとに加速度脈波を表す装置。簡便な動脈硬化の診断法として、最近注目され始めています。加速度脈波加齢指数から血管年齢を推定します。

*2:指尖容積脈波

 指先に装着したセンサーで、末梢血管に光をあて、ヘモグロビンの光が吸収される度合いから描いた波形で、血液の変化量、つまり血管容積の変化量を測定し記録しています。

*3:加速度脈波

 指尖容積脈波を2回微分した波形です。指尖容積脈波の変曲点を明瞭にし、波形パターンを容易に認識させたものです。

指尖容積脈波、加速度脈波

*4:加速度脈波の波形の持つ意味

  • a波:心臓が血液を送り出すときにできる波形
  • b波:血管の壁の伸展性、伸び、柔らかさに関係しており、血管が柔らかいほど深く下がり、動脈硬化などで血管が硬くなると浅くなります。
  • d波:血管が硬くなり反発が強くなると深く下がります。
  • ①d波/a波:動脈硬化や加齢、血圧上昇や血管収縮に伴って低下します。
  • ②b波/a波:血管の伸展性を表すと考えられ、動脈硬化や加齢によって上昇します。
  • ③(b-c-d-e)波/a波:加速度脈波加齢指数と言い、血管加齢を推定する指標となります。
加速度脈波の波形

*5:加速度脈波加齢指数を用いた血管年齢の求め方

 20歳から70歳代の各年代の加速度脈波加齢指数は実際の年齢と正相関します(下図)。このグラフをもとに、被験者の加速度脈波加齢指数が何歳の人たちと一致するかによって血管年齢を推定します。

加速度脈波加齢指数を用いた血管年齢の求め方

プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

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