口には「食べる」ことだけではなく、「話す」「表情を作る」という大切な働きがあります。歯みがきで汚れを取り除くだけでなく、舌や頬の内側などを含めたお手入れでだ液の分泌を促し、口の中を潤った状態に保つことも口腔ケアに入ります。正しい口腔ケアが行われることで、飲み込みの反射が良くなり、生活の質も改善されます。
①口腔ケアはなぜ必要?
口の働きが「食べる」「話す」「表情を作る」と日々の生活に直結していることから、正しい口腔ケアが行われることで生活の質も改善されます 。
さらに、口の中がきれいになると美味しさを感じやすくなるので食欲が刺激され、食べる量が増えます。食べ物から体に取り込まれた栄養は、体力や免疫力のアップにも繋がります。また、口の中が潤うことで舌の動きが良くなり、会話など口を使う機会が増えることで、人とのコミュニケーションも活発になるでしょう。
②お口の中をチェックしてみましょう
口腔ケアを行うときにポイントとなるのは
- 歯みがき
- お口みがき(唇、頬の内側、舌、上あごのケア)
- 保湿ケア
の3つです。口の中を観察し、その状態にあったケアを行いましょう。
③口腔ケアをやってみましょう
ケアを行う時は、安全で快適であることがポイントです。
- 汚れや細菌だらけの水分やだ液を誤嚥しないように 、「奥から手前に」が基本です。
- 人によっては椅子に座ってのケアで疲れてしまうことも。ケアの時間は手早く、またベッド上で行う場合は姿勢や体の向きにも注意しましょう。
- 痛みのない、気持ち良いケアを行うためにはケアの前と仕上げに保湿をし、
マッサージはやさしく行いましょう。 - 義歯は毎食後、食べかすなどの汚れを流水で洗い流してから、
歯ブラシや義歯専用ブラシで全体をこすり洗いをします。
口腔ケアの手順
口腔内の異常や、虫歯・入歯の不具合などがある場合は、医師や歯科医師に相談してください。
- 唇や口の中の乾燥が気になる方は、ケア前に保湿しましょう。
- 湿らせたスポンジブラシや口腔ケア用のウエットティシュなどで
食べかすなどの大きな汚れを取り除きます。
※乾燥した汚れがこびりついている場合は、保湿剤で汚れをふやかすと
取り除きやすくなります。 - 舌を専用のブラシでやさしくみがきます。
※奥から手前に動かして、汚れたものが喉に落ちないように気をつけましょう。 - 歯をみがきます。
※みがきにくいところは汚れがたまりやすいので、丁寧に取り除きましょう。 - うがいをします。
できない場合はきれいな水で湿らせたスポンジブラシや口腔ケア用の
ウエットティシュ などでの拭き取りで、口の中をきれいにします。
※誤嚥(ごえん)しないようにうがいは前かがみの姿勢で。
スポンジブラシは余分な水を絞ってから使用しましょう。 - 歯ぐきや頬の内側に保湿剤をぬり、マッサージをしながら保湿します。
※余分な保湿剤は使用後に軽く拭き取りましょう。
日常生活を楽しむためにも、正しい口腔ケアを続け、定期的な歯科検診で専門家からのアドバイスを受けることもおすすめします。

記事監修/五島 朋幸先生
ふれあい歯科ごとう代表 博士(歯学)
日本歯科大学附属病院口腔リハビリテーション科臨床准教授
日本歯科大学東京短期大学歯科衛生士科講師
慶応義塾大学非常勤講師
新宿食支援研究会代表
株式会社WinWin代表取締役
1997年より訪問歯科診療に取り組み始め、2000年医療法人社団星秀会理事・在宅診療部代表を経て、2003年ふれあい歯科ごとうを開設。新宿区を中心に25年以上訪問歯科診療に取り組んでいる。地域の食支援の拠点としても積極的に活動している。
