トップ > サステナビリティ活動 > 特集トップ(工場概要) > 栃木小金井工場の素材を活かす再生・転用技術で社会に貢献!
酵母は、ビールやパン、ワインなどの発酵食品の製造に欠かせない微生物で、ビールの製造においては、麦汁を発酵させ、その過程において味や香りを決定する重要な役割を担っています。ビール製造における役割を終えても、ビール酵母にはアミノ酸などのうまみ成分やビタミンB群、ミネラルといった栄養成分が豊富に含まれています。アサヒグループ食品では、独自に開発した最先端技術で、ビール酵母から有用な成分を抽出し、酵母エキスを製造しています。酵母エキスは決して目立つ素材ではありませんが、食品の味を引き立て、豊かな食生活に貢献する調味料です。

栃木小金井工場は、設立以来、ビール酵母から酵母エキスを製造しています。当工場は、東日本のアサヒグループのビール工場で発生するビール酵母のほぼ全量を受け入れています。専用のタンクローリーで運ばれてくるビール酵母は1日最大100トン超です。それをもとに製造される酵母エキスは、パウダー、リキッド、ペーストなど、用途に応じた形状に加工され、幅広い分野の企業に出荷されています。最も需要が多い食品分野では、ラーメン、スープ、カレーのルー、だし汁、レトルト食品、冷凍食品などに、隠し味として利用されています。うまみやコクを加えるほか、風味を強めたり、複雑味を与えたりできるのも、酵母エキスの特長です。健康食品については、タンパク質、必須アミノ酸、食物繊維が豊富な点が活用されています。ペットフードについては、嗜好性向上にも役立てられています。そのほか、化粧品分野では、酵母に含まれるRNAやシステインペプチドが、肌の保湿や活性化に有効な成分として注目されています。バイオ分野では、乳酸菌やビフィズス菌などの微生物を増殖させる培地にもなっています。

さまざまな用途がある酵母エキスへの需要は年々高まっています。将来的なタンパク質不足も懸念されていますが、その問題解消においても、酵母エキスは有用ではないでしょうか。なお、ビール酵母から酵母エキスを抽出した後に残った細胞壁も農業資材や肥料としてアサヒグループ内の別の事業に利用されており、まさに無駄がありません。アサヒビール空前のヒット商品「アサヒスーパードライ」は、アサヒグループが長年にわたって取り組んできた酵母の最先端技術から誕生しました。同商品の評判が高まるとともに、副産物であるビール酵母も大量に発生することになりましたが、それを確実に有効活用できていることには、グループ全体でサステナビリティを実現している誇りを感じます。栃木小金井工場では、アサヒグループ食品の社員、協力会社の方々ともに、自らの仕事が社会貢献につながっていることに深い意義を感じ、意欲的に働いています。

この内容はインタビュー当時(2023年3月)のものです。